マスターズ・トーナメント
2021年、男子プロゴルフで4つあるメジャー選手権大会の一つである「マスターズ・トーナメント」で、日本からアメリカのプロゴルフツアー(PGAツアー)に参戦している松山 英樹が初優勝を飾りました。この松山 英樹の優勝はアジア出身の選手として初めて、もちろん日本国籍の選手としても初めてのことであり、歴史的な快挙となりました。そんなマスターズ・トーナメントは、一体どのような大会なのでしょうか。
マスターズ・トーナメントは1934年、球聖と称されている名選手、ボビー・ジョーンズと、彼の友人である実業家の企画により始まりました。当初の大会名とは現在とは異なっており、1939年に大会名が変更されてマスターズという言葉が登場しました。トーナメントの会場は、第1回大会からアメリカ合衆国のジョージア州にあるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブです。長い歴史の中で何度もコースの改修が実施されていますが、会場自体の変更は行われることなく開催され続けています。開催時期は例年4月で、第2日曜日が最終日になるように日程が組まれます。ただし例外があり、1943年から1945年にかけては第二次世界大戦の影響で大会自体が中止となり、2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響で4月開催が取りやめられ、11月の第2週に無観客で実施されました。
この大会に出場できる選手は、主催者から招待された者に限られます。招待状が送られる選手は、過去に優勝経験がある者、メジャー選手権大会やアマチュア主要大会の優勝者、公式世界ランキングの上位者、PGAツアーの主要大会での優勝者や成績上位者などです。多くのカテゴリーは前年の成績が参考となりますが、この大会以外のメジャー選手権大会については直近5年間の優勝者、PGAツアーの中ではザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップのみ直近3年間の優勝者に招待状が送られます。なお、過去にこの大会に優勝したことがある選手はオーガスタの名誉会員の資格が与えられ、生涯にわたって招待されることになっています。松山 英樹は2022年以降は試合の成績に関係なく、怪我や体調の悪化などがなければ毎年この大会に出場することができます。
会場になっているオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、名手のみが大会出場を許されていることもあって非常に難しいです。とりわけグリーンの難易度が高く、大会では多くの選手が苦しめられています。マスターズ・トーナメントの最大の見どころは通称「アーメン・コーナー」といわれている11番から13番の3つのホールで、ここを上手く乗り切れるかで明暗が分かれます。
|